企業の森(兵庫県川西市):2011年4月~

201802

当社は「攻めの姿勢で展開する」をスローガンに環境貢献にも積極的に取り組んでおります。

主に関東地区の社員を中心に2008年に「企業の森・黒田電気(青梅)」を開始しましたが、この森づくり活動をさらに関西地区にも拡大すべく候補地を検討してまいりました。

検討の結果、兵庫県が実施する「企業の森づくり制度」に参画することとし、2011年4月26日に兵庫県、川西市、緑化推進協会、当社の4者間にて「企業の森づくり活動への取組みに関する協定書」を締結し、今後10年間菊炭の里として有名な兵庫県川西市黒川で森づくり活動をすすめることになりました。

現地は絶滅危惧種の桜エドヒガンやヒノキの植林地、アカマツ林など多様な林から成り立っています。今後は詳しい植生調査を行い、生物多様性の確保、景観の保全に配慮しながら、森林を整備し、また社員同士の交流、地域の関係者との交流の場として活用して行きたいと考えております。

※エリアをクリックすると詳しい説明が開きます。

企業の森づくり活動への
取組みに関する協定書

(左から)
 黒田電気株式会社 金子社長(当時)
 兵庫県農政環境部環境部長 佐藤様
 川西市市民生活部部長 多田様
 兵庫県緑化推進協会常務理事 宮崎様

企業の森 黒田電気看板

川西市黒川 里山ものがたり

里山とは、人の影響をうけた生態系が存在する山のことです。

「おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川に洗濯に・・」桃太郎で知られるこの一節にもあるように、昔の日本では田や畑で作物を作り、山へ調理や暖を取るための燃料となる柴(薪となる小さな雑木のこと)を取りに行く生活が当たり前のものでした。

こういった里山は、人が手を入れ再生と伐採の循環を繰り返していたので、持続可能な環境モデルを形成していたのです。

しかしながら石炭や石油の普及とともに、薪はほとんど使われなくなり、人々も里山から離れ、日本中から里山といわれる風景はどんどん消えて行きました。

兵庫県川西市黒川地区は大阪の中心地から北へ20km離れた場所の北摂といわれる地域に位置しています。この地区は高級炭「池田炭」の生産地として広く知られています。「池田炭」は炭の切り口が菊の花模様に似ていることから「菊炭」とも呼ばれており、火つきが良く、燃焼時間も長く、見た目にも美しいことから、茶道の道具炭として古くは室町時代から足利義政、千利休、豊臣秀吉に重宝されたとの記録も残っています。

この菊炭の原料となるのがクヌギの木です。この地域ではクヌギの木を地上1m~2mの高さで伐採します。通常苗木からクヌギの木が生育するには20年ほどかかりますがこの方法では萌芽した枝が8年程で菊炭に適した太さに生育するため効率よくクヌギの木を利用することができます。

こうした使われ方をしているクヌギの木はその形から「台場クヌギ」と呼ばれています。

この黒川の地では「台場クヌギ」を使い、8年から10年のサイクルで里山を輪伐することによって菊炭の原料となるクヌギの木を絶やすことなく利用し続けて来ました。 いわゆる持続可能な環境モデルを作り上げて、それが今でも続いているのです。

またそのことは多種多様な生物を生息させ自然の恵みを豊かなものとしています。

この茶道に使われる菊炭の需要によって、今でも黒川ではクヌギの輪伐が行われ、里山林を室町時代と変わらない風景に保っています。

ところが時代の流れとともに黒川の至る所で生産されていた菊炭も後継者不足により徐々に生産者が減り続け、今ではわずか一軒を残すのみとなっています。室町時代から続く里山の景観も荒れて消えかけているのが今の黒川の現状なのです。

(今この唯一黒川で菊炭を生産しているのが今回企業の森の開始にあたり大変ご尽力頂いた、黒川自治会長の今西勝さんです。)

数年前よりこの黒川地区では、里山を守るためいくつかの市民団体が活動を行っています。弊社もこれをご縁にこの兵庫県川西市黒川地区の里山の保全、生物多様性の確保に地域の皆さん、市民団体の皆さんと交流を深めながら、一緒に取り組んでいければと思います。

アクセス

現地周辺の地図

現地周辺の地図
企業の森現地
黒川公民館

≪黒川公民館≫

所在地:

〒666-0101 川西市黒川字谷垣内295番地
能勢電鉄「妙見口駅」下車徒歩30分

≪企業の森≫

所在地:

黒川公民館から徒歩約20分